琵琶湖の東に位置する滋賀県近江地方は、古くから麻織物の産地として栄えてきた。麻は吸湿性、発散性、通気性に優れており、中でも日本の夏に欠かせぬ織物として親しまれてきたのが「近江ちぢみ」だ。特徴である生地のシボのおかげで、べたつかず、体にまとわりつかないので風が通り抜け、肌触りはなめらか。
そんな近江ちぢみに、老舗の寝具メーカー・西川が注目して生まれたのが「季ノ布」シリーズである。熟練職人の手作業により手間暇をかけて作られるため、生産量が限られるが、『佳人手帳』では今回、限定数を確保した。
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①シボとり
織り上がった麻生地を、縦横斜めの溝が刻まれた台の上で丹念にもみ込むことで独特のシボが生まれる。
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②一本水洗い
水洗いで織物の不純物を取り去る。このときシボを崩さないように、紐状にしたまま豊富な水で何度も洗う。
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③竿干し
室内に張り巡らされた竿に、職人が一枚ずつ丁寧に干す。温風でゆっくり乾かして風合いのよいシボを出す。
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④ほぐし柔軟
突起の付いたローラーで布地をもみながらほぐして柔らかく仕上げる。昔からの古い機械を使うという。
麻のふとんが快適な理由
水分量と生地の密着力を計測した試験。麻は汗をかいても肌離れがよく、べたつきにくいことがわかる。
朝までさわやかな自然の涼感
麻に包まれて快適な眠りを
「近江ちぢみ」を使った「季ノ布」の寝具。経糸にリネン(亜麻)、緯糸にラミー(苧麻)と麻を使い分け、しなやかさ、光沢、シャリ感といったそれぞれの特性を両立させている。自然な涼感とサラリとした肌触りで、朝まで快適に眠れる。できればカバーをかけずに直に使うと、麻の恵みをより肌で感じていただけるはずだ。家庭の洗濯機で洗えるのもポイント。
今年の夏は、本品で快適な眠りを叶えていただきたい。
肌に触れる面は麻100%で肌触りがいい。中わたは綿。細かいキルティングで、
中わたが片寄りにくい。四隅に固定用ゴムバンドが付く。
サラリとした肌掛けふとんの中には薄い麻わたが入っている。軽く、体にまとわりつかないので風通しがよく、体の熱がこもりにくい。