「手ぬぐい」は、実用と装飾を兼ねた日本古来の工芸品。タオルやハンカチといった日用品がある中で、手ぬぐいを使いこなす人の、なんと粋に見えることか。創業明治40年、手ぬぐいを作り続けて100余年の染物専門店「染の安坊」が提案する、手ぬぐい生地で仕立てたアロハシャツである。
その長い歴史の中で作り上げてきた手ぬぐい生地の柄は、じつに1000種類に及ぼうかという膨大な数。その中から『大人の逸品』が生地を厳選し、染の安坊が本誌読者のために大人の和柄アロハシャツをデザインした。
「花火」は江戸の夏夜を彩る隅田川の花火をイメージ。実際の花火は見られなくても、せめて江戸の風流をまとって夏を楽しもうという一着に仕立てた。そして「市松」はもちろん、今年の夏に開催予定の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のエンブレムにインスパイアされた市松模様となる。
浴衣にも使われる最高級手ぬぐい生地「特岡」を、染め職人が「手捺染」という繊細な技法で染め抜いたシャツが、日本の夏に涼を届ける。
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←前身頃は右側のみ花火が上がる左右非対称のデザイン。
↑後ろ身頃は夜空に見立てた広いスペースいっぱいに打ち上がる花火大会の光景を、横に倒したようなユニークなデザインに仕上げている。
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前身頃は右側のみ花火が上がる左右非対称のデザイン。
後ろ身頃は夜空に見立てた広いスペースいっぱいに打ち上がる花火大会の光景を、横に倒したようなユニークなデザインに仕上げている。
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「手捺染」という手刷り染色技法で、細かい模様をくっきりと表現している。
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←前身頃は右半分に市松模様を施している。
↑後ろ身頃にも市松模様。江戸時代に人気となった模様を大胆に配しており、無地とのコンビネーションでより際立つ。
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←前身頃は右半分に市松模様を施している。
←後ろ身頃にも市松模様。江戸時代に人気となった模様を大胆に配しており、無地とのコンビネーションでより際立つ。
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2色の小さな四角形を互い違いに並べた市松模様。江戸時代の歌舞伎役者がこの柄の袴を身につけたことから人気に。
「花火」と「市松」はともに、手ぬぐい生地になじむ黒いボタンを選択。細部まで妥協なく仕上げられている。