BAR CINEMA~この映画に乾杯!(第1回)『カサブランカ』 ――シャンパンとシャンパンカクテル
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2013/12/2

第1回:カサブランカ――シャンパンとシャンパンカクテル
BAR CINEMAへようこそ。
このバーでは、皆さまの記憶に残る映画の名シーンを彩った素敵なお酒を、映画の時代背景、お酒の由緒・成り立ちと合わせてご紹介し、ご賞味いただきます。
1827年に創業したシャンパンメゾン・マムの主力銘柄『コルドン ルージュ』。コルドン ルージュ=赤いリボンがラベルを華やかに彩る。
Here’s looking at you, kid.
お酒が登場する映画の名シーンと言えば、やはりこれ。
1942年に公開された『カサブランカ』。ハンフリー・ボガード演じる主人公リックが、かつての恋人イルザ(イングリッド・バーグマン)に向かって語るこの台詞です。
「君の瞳に乾杯」という日本語訳(故 高瀬鎮夫氏による)は、神懸かり的な名訳といっていいでしょう。
男なら、一度は言ってみたいこの台詞。
しかし、実際に口説き文句として使ったらどうなるか……、怖い! 私にはとても使いこなせる言葉ではなさそうです(涙)。
この映画は、第二次世界大戦下のフランス領モロッコのカサブランカを舞台にした物語です。
1940年、ナチスがヨーロッパ各地を次々と占領し、人々はポルトガルの首都リスボン行きの航空券を求めてカサブランカへ集まってきます。
かつてパリで「オーロラ」というバーを営んでいたリックも、今はこの地で「リックス・カフェ・アメリカン」というバーを経営していました。
そこへ、パリで行方がわからなくなってしまったイルザが現れて……。
この映画の中でたびたび登場するお酒が、フランスの銘酒シャンパンです。
二人がパリのバーで「君の瞳に乾杯」していたのがシャンパンで、その銘柄はマム。
エチケット(ラベル)に斜めに入った赤いラインが目印で(映画はモノクロなので色はわかりませんが)、現在の商品ラインアップでいうと「コルドン ルージュ」というシリーズになるでしょう。
ご存じの方も多いと思いますが、シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で生産される発泡性のワインです。
なので、発泡性(スパークリング)ワイン=シャンパンというわけではありません。
パリから北東150kmに位置するこの地域で作られたブドウのみを使い、瓶内での発酵によって自然に生じた炭酸ガスで発泡するもの。
使ってよいブドウ品種は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエほか8種類と規定されており、さらに一定のガス圧をクリアしたものだけが、「シャンパン」の呼称を得ることができるのです(一般的に、シャンパンのガス圧は4.5~6気圧くらい。そのほかのスパークリングワインは2.5~4くらいです)。
さわやかな酸味とブドウの果実味豊かなこのお酒は、繊細かつ力強い泡立ちで飲む者を魅了します。
パーティーなどの祝宴の乾杯にふさわしいお酒ですが、ふたりが愛をささやき合う時にも“効果的”なお酒です。
このバーでは、皆さまの記憶に残る映画の名シーンを彩った素敵なお酒を、映画の時代背景、お酒の由緒・成り立ちと合わせてご紹介し、ご賞味いただきます。
1827年に創業したシャンパンメゾン・マムの主力銘柄『コルドン ルージュ』。コルドン ルージュ=赤いリボンがラベルを華やかに彩る。
Here’s looking at you, kid.
お酒が登場する映画の名シーンと言えば、やはりこれ。
1942年に公開された『カサブランカ』。ハンフリー・ボガード演じる主人公リックが、かつての恋人イルザ(イングリッド・バーグマン)に向かって語るこの台詞です。
「君の瞳に乾杯」という日本語訳(故 高瀬鎮夫氏による)は、神懸かり的な名訳といっていいでしょう。
男なら、一度は言ってみたいこの台詞。
しかし、実際に口説き文句として使ったらどうなるか……、怖い! 私にはとても使いこなせる言葉ではなさそうです(涙)。
この映画は、第二次世界大戦下のフランス領モロッコのカサブランカを舞台にした物語です。
1940年、ナチスがヨーロッパ各地を次々と占領し、人々はポルトガルの首都リスボン行きの航空券を求めてカサブランカへ集まってきます。
かつてパリで「オーロラ」というバーを営んでいたリックも、今はこの地で「リックス・カフェ・アメリカン」というバーを経営していました。
そこへ、パリで行方がわからなくなってしまったイルザが現れて……。
この映画の中でたびたび登場するお酒が、フランスの銘酒シャンパンです。
二人がパリのバーで「君の瞳に乾杯」していたのがシャンパンで、その銘柄はマム。
エチケット(ラベル)に斜めに入った赤いラインが目印で(映画はモノクロなので色はわかりませんが)、現在の商品ラインアップでいうと「コルドン ルージュ」というシリーズになるでしょう。
ご存じの方も多いと思いますが、シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で生産される発泡性のワインです。
なので、発泡性(スパークリング)ワイン=シャンパンというわけではありません。
パリから北東150kmに位置するこの地域で作られたブドウのみを使い、瓶内での発酵によって自然に生じた炭酸ガスで発泡するもの。
使ってよいブドウ品種は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエほか8種類と規定されており、さらに一定のガス圧をクリアしたものだけが、「シャンパン」の呼称を得ることができるのです(一般的に、シャンパンのガス圧は4.5~6気圧くらい。そのほかのスパークリングワインは2.5~4くらいです)。
さわやかな酸味とブドウの果実味豊かなこのお酒は、繊細かつ力強い泡立ちで飲む者を魅了します。
パーティーなどの祝宴の乾杯にふさわしいお酒ですが、ふたりが愛をささやき合う時にも“効果的”なお酒です。
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シャンパンと砂糖、苦味酒(ビターズ)で作るカクテル「シャンパンカクテル」。
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第1次世界大戦の時に、パリのアンリ・バーで誕生したカクテル「フレンチ75」。
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1972年東京生まれ。銀座と新宿のバーで研鑽を積み、2004年銀座にバー・エヴィータをオープン。