BAR CINEMA~この映画に乾杯!(第12回)『テキーラサンライズ』 ――友情に、恋に悩んだらテキーラを一杯!
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2015/10/20

第12回:テキーラサンライズ
友情に、恋に悩んだらテキーラを一杯!
BAR CINEMAへようこそ。
このバーでは、皆さまの記憶に残る映画の名シーンを彩った素敵なお酒を、映画の時代背景、お酒の由緒・成り立ちと合わせてご紹介し、ご賞味いただきます。
テキーラサンライズ。グラスの底に沈んだグレナデンシロップの赤とオレンジジュースのグラデーションが美しい。テキーラ独特のクセをあまり感じさせない、飲みやすいカクテル。
Who says friendship lasts forever?
We’d all like to, maybe…
…but maybe it just wears out like everything else.
Like tires.
Tequila Sunrise=テキーラサンライズ。
そのものズバリ、テキーラをベースにした代表的なカクテルの名前で、映画の中でも主人公マック(メル・ギブソン)が愛飲しています。
麻薬の仲買人として警察やFBIにもその名が知られているマック。マックは自分の顧問弁護士が素人にもかかわらず、コカインの取引をするというので一緒についていったところ、そこに現れたのは高校からの親友で、今は地元警察で麻薬捜査官になっているニック・フレシア(カート・ラッセル)だった……。
麻薬の取引から足を洗おうとしているマック、そして親友を自分の手で捕まえたくないニック。だが、FBIはコロンビアの麻薬組織の大物、カルロス・エスカランテ(ラウル・ジュリア)の顔を知る唯一の男マックを執拗に付け回し、その行動を監視する。
マックが行きつけの高級イタリアンレストランでひとり、テキーラサンライズを飲みながら食事を楽しもうとしている時も、FBIの捜査員が隣のテーブルで客を装い、マックの会話を盗聴していた。そこへニックが割って入り、捜査員を帰してマックのテーブルに着く。そしてニックは、常連客であるマックに挨拶に来た女性オーナー、ジョアン(ミッシェル・ファイファー)に出会い、その美貌に関心を抱く。
FBIは、マックがそのレストランで麻薬の取引をしようとしていると考え、ジョアンまで付けねらう。
ニックはジョアンを通してマックの動向を探ろうとするが、ジョアンに惹かれて深い関係になる。
マックはずっとジョアンに好意を抱いてきたにもかかわらず、彼女になかなかその気持ちを伝えられない。
マックとニックの友情、ジョアンとの三角関係、さらにFBIがマックを追いかけ、ニックがFBIと対立する。
物語は複雑でわかりにくく展開し、私は1度見ただけでは内容を理解できませんでした……。
が、マックがひとり、自分の部屋でテキーラサンライズを飲むシーンは強く印象に残りました。
■オレンジとグレナデンで表現するメキシコの朝焼け
ニックとジョアンがレストランのワインセラーで濃厚なキスをしているシーンから場面が切り替わり、マックの部屋、若かりし頃のマックとニックの写真がアップになります。カメラが引いて画面左方向に動くと、ピッチャーに入ったオレンジジュースとテキーラのアネホ、グレナデン(ザクロ)シロップの瓶が大うつしになり、マックがテキーラの瓶を手に取りグラスに注ぎ入れます。
このときにナレーションとして流れるのが冒頭の英語の台詞です。
友情は永遠に続くかい?
だといいけどさ
友情だって、だんだん擦り切れるもんだろ?
タイヤみたいに
マックとニックの友情関係が擦り切れていくのかどうかは映画を見てのお楽しみとして、テキーラサンライズの作り方です。
「アネホ」については前回の「ハバナ」でご説明しましたが、樽で熟成させたお酒です。映画では黄金色が美しいアネホが出ていますが、ふつうは透明色のブランコを使います。
当店でのレシピは以下のとおりです。
①氷を入れたタンブラーに冷蔵庫で冷やしておいたテキーラブランコ35ml、オレンジジュース80mlを注ぎ、混ぜる。
②グレナデンシロップを2さじ加える。
グレナデンシロップは比重が大きいのでグラスの底に沈みますが、それをバースプーンでしゃくり上げると、赤い色がふんわり上がってきて、まるで日の出のような赤のグラデーションができ上がります。
また当店では、これをショートカクテルとしてお作りすることもあります。
その場合は、テキーラブランコ 35ml、オレンジジュース45mlをシェイクしてグラスに注ぎ、グレナデンシロップをひとさじ沈めてでき上がりです。
余談ですが、テキーラサンライズと対をなすような一杯として、テキーラサンセットというカクテルもあります。
テキーラブランコ30ml、レモンジュース15ml、グレナデンシロップ2さじ、砂糖2分の1さじをクラッシュアイスとともにブレンダーにかけて、フローズンスタイルにします。
勝手にご紹介しておきながらなんなのですが、テキーラサンライズの人気に比べてテキーラサンセットはまったく知名度がないのか、私のバーテンダー歴の中で、このカクテルのオーダーを受けたことは2、3度しかありません……。第10回でご紹介しましたフリップくらい、私にとってはレアなカクテルです。
このバーでは、皆さまの記憶に残る映画の名シーンを彩った素敵なお酒を、映画の時代背景、お酒の由緒・成り立ちと合わせてご紹介し、ご賞味いただきます。
テキーラサンライズ。グラスの底に沈んだグレナデンシロップの赤とオレンジジュースのグラデーションが美しい。テキーラ独特のクセをあまり感じさせない、飲みやすいカクテル。
Who says friendship lasts forever?
We’d all like to, maybe…
…but maybe it just wears out like everything else.
Like tires.
Tequila Sunrise=テキーラサンライズ。
そのものズバリ、テキーラをベースにした代表的なカクテルの名前で、映画の中でも主人公マック(メル・ギブソン)が愛飲しています。
麻薬の仲買人として警察やFBIにもその名が知られているマック。マックは自分の顧問弁護士が素人にもかかわらず、コカインの取引をするというので一緒についていったところ、そこに現れたのは高校からの親友で、今は地元警察で麻薬捜査官になっているニック・フレシア(カート・ラッセル)だった……。
麻薬の取引から足を洗おうとしているマック、そして親友を自分の手で捕まえたくないニック。だが、FBIはコロンビアの麻薬組織の大物、カルロス・エスカランテ(ラウル・ジュリア)の顔を知る唯一の男マックを執拗に付け回し、その行動を監視する。
マックが行きつけの高級イタリアンレストランでひとり、テキーラサンライズを飲みながら食事を楽しもうとしている時も、FBIの捜査員が隣のテーブルで客を装い、マックの会話を盗聴していた。そこへニックが割って入り、捜査員を帰してマックのテーブルに着く。そしてニックは、常連客であるマックに挨拶に来た女性オーナー、ジョアン(ミッシェル・ファイファー)に出会い、その美貌に関心を抱く。
FBIは、マックがそのレストランで麻薬の取引をしようとしていると考え、ジョアンまで付けねらう。
ニックはジョアンを通してマックの動向を探ろうとするが、ジョアンに惹かれて深い関係になる。
マックはずっとジョアンに好意を抱いてきたにもかかわらず、彼女になかなかその気持ちを伝えられない。
マックとニックの友情、ジョアンとの三角関係、さらにFBIがマックを追いかけ、ニックがFBIと対立する。
物語は複雑でわかりにくく展開し、私は1度見ただけでは内容を理解できませんでした……。
が、マックがひとり、自分の部屋でテキーラサンライズを飲むシーンは強く印象に残りました。
■オレンジとグレナデンで表現するメキシコの朝焼け
ニックとジョアンがレストランのワインセラーで濃厚なキスをしているシーンから場面が切り替わり、マックの部屋、若かりし頃のマックとニックの写真がアップになります。カメラが引いて画面左方向に動くと、ピッチャーに入ったオレンジジュースとテキーラのアネホ、グレナデン(ザクロ)シロップの瓶が大うつしになり、マックがテキーラの瓶を手に取りグラスに注ぎ入れます。
このときにナレーションとして流れるのが冒頭の英語の台詞です。
友情は永遠に続くかい?
だといいけどさ
友情だって、だんだん擦り切れるもんだろ?
タイヤみたいに
マックとニックの友情関係が擦り切れていくのかどうかは映画を見てのお楽しみとして、テキーラサンライズの作り方です。
「アネホ」については前回の「ハバナ」でご説明しましたが、樽で熟成させたお酒です。映画では黄金色が美しいアネホが出ていますが、ふつうは透明色のブランコを使います。
当店でのレシピは以下のとおりです。
①氷を入れたタンブラーに冷蔵庫で冷やしておいたテキーラブランコ35ml、オレンジジュース80mlを注ぎ、混ぜる。
②グレナデンシロップを2さじ加える。
グレナデンシロップは比重が大きいのでグラスの底に沈みますが、それをバースプーンでしゃくり上げると、赤い色がふんわり上がってきて、まるで日の出のような赤のグラデーションができ上がります。
また当店では、これをショートカクテルとしてお作りすることもあります。
その場合は、テキーラブランコ 35ml、オレンジジュース45mlをシェイクしてグラスに注ぎ、グレナデンシロップをひとさじ沈めてでき上がりです。
余談ですが、テキーラサンライズと対をなすような一杯として、テキーラサンセットというカクテルもあります。
テキーラブランコ30ml、レモンジュース15ml、グレナデンシロップ2さじ、砂糖2分の1さじをクラッシュアイスとともにブレンダーにかけて、フローズンスタイルにします。
勝手にご紹介しておきながらなんなのですが、テキーラサンライズの人気に比べてテキーラサンセットはまったく知名度がないのか、私のバーテンダー歴の中で、このカクテルのオーダーを受けたことは2、3度しかありません……。第10回でご紹介しましたフリップくらい、私にとってはレアなカクテルです。
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テキーラサンセット。全体がグレナデンシロップの赤で彩られ、かわいらしく見えますが、レモンの酸味がきいてすっきりとした大人の味わいです。
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エラドゥーラのブランコ。カクテルベースとして使うほか、ストレートで飲んでも滑らかな口当たり。