石川県 加賀市「欅ひとりぶん」
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2016/8/10

精巧の限界に挑む木の器 欅ひとりぶん
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日本一の漆器産地の底ヂカラ
漆器作りに携わる職人には、木を削って器の形にする木地師(きじし)、器の表面を彫り込んで模様を施す亀甲師(きっこうし)、木地固めや布着せなどの補強が専門の下地師、漆の上塗りを行なう塗師(ぬし)などがいる。より細かく分ければ、上塗りも本塗りと拭き漆とでは技術体系が異なる。金粉や銀粉で絵模様を施す蒔絵師(まきえし)も、塗師とは別の世界の匠である。 -
木地を削る「かんな」は、職人それぞれが自分で鍛造する。刃の角度は木の種類などによって微妙に変える。同じ欅でも、挽き加減はひとつずつ異なるという。
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拭き漆専門の塗師として21年目の山根美智子さん(66歳)。
「変わった注文も舞い込みますね。先日はウクレレを塗りました」 -
くるいを防ぐため欠かせないのが材料の乾燥。
1階で火を焚き、発生した暖かい煙を2階へ送ってじっくり乾かす。 -
空気をまんべんなく通すための輪積みという保管法。
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重ねるとコンパクトに。優れたデザインの商品に与えられる「グッドデザイン賞」を受賞。
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1膳に一汁三菜程度の食事に好適。食生活の改善を考えている人にもおすすめの器だ。
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山中漆器とは
奈良時代に僧・行基が開湯したという伝説がある山中温泉で発展した漆器。あらゆる漆器技法をこなせるのが産地としての強みだが、中でも高い評価を得ているのが堅木の欅を精密に挽く轆轤の技。木の風合いを引き立てる拭き漆の技術にも定評がある。